年金制度。老後の生活を支えてくれる大事な給付金です。オーストラリアに永住を考えている方は、オーストラリアの年金システムを理解する必要があります。
本記事はオーストラリア在住者向けで、オーストラリアの年金制度の基礎知識を解説していきます。
私は、オートラリアに移住し1年が経ちます。
オーストラリアの制度を正しく知る為に、ファイナンシャルプランナーの「オンラインコーチング」を受けており、その「学び」をこのブログを通して紹介しています。
本記事の権威性
- オーストラリア在住日本人ファイナンシャルプランナーから学んだ情報を発信
- オーストラリア国内のビジネス経営者及び個人クライアント向けに、総合的なアドバイスを行うプランナーから学んでいる
それでは、早速みていきましょう!
老齢年金とスーパーアニュエーション【オーストラリアの年金は2種類】
オーストラリアの年金は2種類あります。
- 老齢年金 (Aged Pension)
- スーパーアニュエーション (Superannuation)
老齢年金は、政府が生活を保障してくれるための給付金です。
この年金は所得や資産に応じて、給付される額が異なってきます。ラッキーなことに、国から自動的に支給がされるため、最低限の生活はこれで補償されることになります。
スーパーアニュエーションは、会社が個人の為に年金の積み立てを行ってくれるものです。
個人の給料から積み立てるのではなく、会社側が個人の為に積み立てを行う形になっています。
オーストラリアは、日本に比べて手厚い制度があるとわかります。
退職後に必要なお金はどのくらいか?
退職前の所得65%x20年がガイドライン
だと言われています。(老齢年金+スーパーアニュエーションも含む)
また、ASFA Retirement Standardによると、夫婦でシンプルな生活を送る場合は約$40,000/年という統計がでています。
Comfortable Lifeで約$60,000/年。「満足な生活」の基準は人それぞれですが、生活費に加えて「娯楽が楽しめる」余裕が欲しい場合、目安として$60,000/年が必要だということですね。
老齢年金(Aged Pension)とは?
定められた年齢に達し、申請をすることによってもらえる年金制度です。
この年金は資産調査をされるため、所得が高かったり十分な蓄えがある場合は支払いはされません。また、永住権をとり10年以上オーストラリアに在住すればもらえる権利が発生します。
政府で定められた年齢は、2019年現在65歳以上です。ただし2023年には67歳に年金受給年齢を上げると政府は発表しています。この流れから、受給年齢はさらに上がる可能性が高いです。
どのくらいもらえるか?
資産調査をされ、額に応じて支払われる金額は異なります。とはいえ、どのくらいもらえるのかイメージが欲しいですよね。
以下を参考にしてください。» Australian Goverment
2020年1月で発表されているノーマルレートは、夫婦で$1,407/2週間です。1年間で約$36,000となります。
資産がどの程度あると、満額でもらえるのか?
おおまかに①家持ち or 賃貸 ②シングル or カップルで異なります。この額を超えると、満額の老齢年金はもらえません。
満額ではなく、少しでももらえる上限は?
上記の金額までであればもらうことができますが、この金額を超えてしまうと老齢年金はもらえません。
自分の家は資産調査の対象となるのか?
考えてみよう
スーパーアニュエーション(Superannuation)とは?
スーパーアニュエーション(通称スーパー)は老後に向けた、企業が個人へ行う積み立て年金です。よってオーストラリアで働く場合は、必ずスーパーに加入することが義務付けられます。
給料の9.5パーセントが企業から積み立てられ、15%の税金をATOから差し引かれた金額が振り込まれます。スーパーの口座は60歳までアクセスができません。(自分でどの程度入っているかは確認可能)
ただしワーホリなど一時的な滞在許可を得て入国している者は、帰国のタイミングで口座を解約してお金を受け取ることが可能です。
このスーパーは、自分の給料の一部をスーパーに積み立てしたり、スーパーの一部を不動産購入に使ったすることができます。詳しくは、下記の記事をご覧ください。
給料の一部をスーパーに積み立てする
【オーストラリアの年金⑤】スーパーアニュエーションでの節税対策【高所得者必見】スーパーを不動産購入に使う(First Home super saver scheme)
オーストラリアで家を購入する【購入ステップとお得な制度を解説】ここでさらなる疑問:払い続けた日本の年金はどうなるの?
満期になれば受け取るが可能です。なぜなら、日本とオーストラリアは社会保障協定を結んでいるから。
手続きが必要になりますが、これまでに払ったきた年金が無駄になることは無いので安心してください。
ただし2019年現在では、日本の年金制度は崩壊状態を叫ばれているため、私(現在36歳)が受給年齢に達した時はどうなるか不透明さがあります。制度崩壊でもらえない可能性があることも、視野に入れた方が良いかも知れません。
まとめ
オーストラリアの年金制度の概要を、簡単にまとめました。
- 老齢年金:定められた年齢に達し、申請をすることによってもらえる年金制度。最低限の生活は補償される。
- スーパーアニュエーション:企業が個人へ行う積み立て年金。
- 日本の年金:社会保障協定により、払ってきた年金の受給資格はある。
日本とオーストラリアの年金制度を比較しても、断然オーストラリアの年金制度の方が手厚いです。手厚いからこそ、オーストラリアでは老後を心配したり貯蓄をする人が少ないようです。
オーストラリアで生活難…ということは無さそうですが、とはいえ、ある程度娯楽が楽しめる生活を送りたいものです。
制度をしっかり知りつつ、どのように資産を増やすのかを、引き続き考えていきましょう。